モニターに選ばれました!「無料でホームページが作れる」と言われたら?
こんにちは。neo-cheeks代表の渋谷です。
「ホームページを無料で制作できますよ。今回、特別にモニター企業様に選ばれたんです!」
もし、そんな営業のお電話やメールが会社に届いたら、皆様ならどうされますか?
「無料なら、少しお話を聞いてみようかな」そう思われるのは、決して不自然なことではありません。ホームページを新しくしたいとお考えの経営者様や、毎月のコストを見直したい会社様にとって、とても魅力的なお話に聞こえるのは当然のことです。
私はこれまで、ゲーム業界、テレビ業界、Web制作など、さまざまな現場でWebの仕事に携わってきた中で、発注する側・制作する側の両方を経験しています。
そんな中、最近関わらせていただいている経営者様から、「『無料でホームページを作れる』という案内をもらったのだけれど、本当にお願いして大丈夫なのかな?」とご相談をいただく機会がとても増えてまいりました。
そこで今回は、Webの現場を知る立場から、無料制作の仕組みや契約前に確認しておきたいチェックポイントについてお伝えしてまいります。
まず最初にお伝えしたいのは、Web制作会社が無料でホームページを作る仕組みそのものは、決して怪しいものではないということです。
お買い物で「お試しサンプル」をもらったり、スーパーで試食をしてから買うのと同じように、制作会社側にもしっかりとしたビジネス上の狙いがあります。
- 制作費を無料にして、その後の保守・管理費でお付き合いを続ける
- モニター企業様としての制作実績(事例)をたくさん増やしたい
- 完成したWebサイトを、自社の営業活動で紹介させていただく
- 将来的なWeb広告や集客サポートのご相談につなげたい
このように、制作会社側にも「実績が増える」「毎月の安定した収入につながる」という理由があるため、「無料だから品質が低い」と決めつける必要はありません。
ただし、心に留めておきたい大切なポイントがあります。それは、「無料でホームページが作れること」と「ホームページに一切お金がかからないこと」は、まったく別の話だということです。
すでに自社のWebサイトをお持ちの会社様は、営業する側から見れば「Webに関心があり、情報発信の大切さを知っている企業様」です。
そのため、業種や地域ごとに企業リストを作成して、「モニターに選ばれました」と丁寧にご案内する手法自体は、Web業界に限らず広く使われている一般的な営業活動のひとつです。
受け止め方のコツ:
「うちの会社だけが特別に選ばれたんだ!」と焦ってその場で決める必要はありません。まずは落ち着いて深呼吸し、中身をじっくり確認することが大切です。
もちろん、提案内容の中には、本当に親切で条件の良いサービスも存在します。
だからこそ、「怪しいからすぐに断る」でもなく、「無料だからすぐ飛びつく」でもなく、「契約条件をひとつずつ確認して、自社に合うかどうかを冷静に判断する」という姿勢が大切になります。
無料制作のご提案を受けたときは、必ず次の5つの点を確認することをおすすめしています。
1 独自ドメインですか? 解約後も手元に残せますか?
「自社名.com」のように、世界にひとつしかないオリジナルのアドレスが使えるかどうかの確認です。制作会社が所有しているドメインの間借りになっていると、将来自立したくなったときに困ってしまいます。
さらに重要なのが、「もし契約をやめた場合、そのドメインを自社の財産として引き継げるか」です。「一定期間契約を続けないと、解約時にドメインが消えてしまう」「他社サーバーへの引っ越しを認めてもらえない」といった取り決めになっていないか、必ず書面で確認しておきましょう。
2 ドメイン代・サーバー代はいくらですか?
インターネット上の住所(ドメイン)と土地(サーバー)にかかる実費の確認です。「制作費は0円ですが、サーバーの管理費用として毎月1万5,000円いただきます」というケースも少なくありません。何に対して毎月いくら支払うのかを事前に把握しておくことが大切です。
3 毎月の保守費用はいくらですか?
ホームページは、公開した後も定期的な見守りが必要です。お知らせの更新、サーバーの安全確認、セキュリティの更新、データのバックアップなどが行われます。「作るのが無料」という言葉だけでなく、「公開した後に毎月いくら必要なのか」を優しく確認してみてください。
4 保守契約への加入は必須ですか?
「制作は無料ですが、月額の保守管理プランへのご加入が条件です」という場合、実質的には「無料制作+有料保守」のセットサービスです。その月額料金やサポート内容に納得できているのであれば全く問題ありません。「無料」という言葉の響きだけで判断しないことがポイントです。
5 契約期間の縛りや違約金はありますか?
経営者様に最も気をつけていただきたいのが、この「契約期間の縛り」です。「最低3年間の継続が必要です」「途中でやめる場合は残りの月額費用を一括でお支払いいただきます」といったお約束がないか確認しましょう。
今の時代、シンプルなホームページであれば数万円ほどで作れる手段もたくさんあります。月額がお手頃に見えても、2年・3年と積み重なると15万〜30万円ほどの大きな出費になります。「期間全体で合計いくら支払うことになるのか」を必ず計算してみることが大切です。
ここまで注意点をお伝えしてまいりましたが、「無料のホームページ制作=すべて避けるべき」というわけではありません。
例えば、次のような条件が揃っている場合です。
- 契約期間に無理な縛りがなく、いつでも見直せる
- 提示されたドメイン代・サーバー代が相場に近い
- 毎月の保守費用とサポート内容に十分に納得できる
- 自社専用の独自ドメインをしっかり持たせてもらえる
このような良心的な条件であれば、初期費用を抑えてプロに作ってもらえる素晴らしいチャンスになります。
提案された金額が妥当かどうかを見極めるために、世間一般的な「サーバー・ドメインの定価相場」と「保守費用の相場」を知っておくと安心です。
【参考データ①】サーバー・ドメイン年間コスト相場(.com利用時の目安)
| サービス名 | 容量 | サーバー月額 | .comドメイン | 年間合計 | 実質月額 |
|---|---|---|---|---|---|
| GMOコアサーバー | 500GB | 430円〜 | 0円 | 5,160円〜 | 430円〜 |
| XServer(エックスサーバー) | 500GB | 495円〜 | 0円 | 5,940円〜 | 495円〜 |
| さくら スタンダード | 300GB | 660円〜 | 1,600円/年 | 9,520円〜 | 約793円 |
※「キャンペーン価格が継続すると仮定」「.comを1個利用」「サーバー代+ドメイン代」で試算。XServerの「.com永久無料」は、スタンダードで12ヶ月以上の契約など条件を満たした場合に利用可能です。
表のように、自社で直接契約すれば、実質月額430円〜800円前後(年間およそ5,000円〜1万円程度)で、大容量で安心なサーバー環境を維持することができます。
【参考データ②】Webサイト保守費用・更新サポートの相場感
| 依頼先の区分 | 維持管理のみ(修正代行なし) | 修正代行あり(月数回の更新含む) |
|---|---|---|
| 大企業・大手制作会社 | 月額 30,000円〜50,000円 | 月額 100,000円〜 |
| 一般的なWeb制作会社 | 月額 10,000円〜20,000円 | 月額 30,000円〜50,000円 |
| フリーランス・個人制作 | 月額 3,000円〜5,000円 | 月額 10,000円〜20,000円 |
※サイトの規模やシステムの複雑さ、更新頻度によって金額は変動します。
保守費用を比較するときは、「文字の修正や写真の差し替え作業(修正代行)が含まれているのか、それとも修正は別料金なのか」を必ず確かめておきましょう。
無料ホームページの営業で、時々このようなお話を聞くことがあります。
「今の公式ホームページを残したまま、新しくもう1つ公式サイトを作ると、検索エンジン(SEO)にも強くなりますよ」
これについても、少し慎重に考えておく必要があります。
発信している会社情報や事業内容がほぼ同じなのに公式ホームページが2つあると、Googleなどの検索エンジンも「どちらを検索結果に出せばいいのだろう?」と迷ってしまいます。
内容が重複しているからといって、すぐにペナルティを受けるわけではありません。しかし、2つのサイトに評価やアクセスが分散してしまい、本来得られるはずだった集客力が弱まってしまうのは、とてももったいないことです。
そのため、特別な事情がない限り、会社の公式情報は1つのサイトに集約しておくことが、管理の面でもSEOの面でも最も効果的です。
もちろん、2つのサイトにそれぞれ異なる役割がある場合は問題ありません。
- 採用専門のサイトと、会社の公式ホームページ
- ブランドの世界観を伝えるための専用サイト
- 特定の看板商品やサービスだけに絞った特化型サイト
「誰に、何を届けるためのサイトなのか」という目的がはっきり分かれているかどうかが、判断の分かれ道になります。
もし営業担当者から「無料で作れます」と声をかけられたら、まずは笑顔でこう問いかけてみてください。
おすすめの質問:
「ありがとうございます! 具体的に、どこまでが無料で、どこから費用が発生しますか?」
そして、以下の項目を紙に書き出しながら、ひとつずつ確認を進めていきます。
- 初期費用と、毎月支払う月額費用の内訳
- ドメイン代とサーバー代(実費か上乗せか)
- 日々の保守・修正サポート費用
- 契約期間の縛りと、途中解約時の条件
- 完成後にテキストや写真を直すときの更新費用
これらを確認した上で、「この条件なら、自社にとって十分にプラスになる」と確信が持てたら、前向きに進めてみてください。
もし説明を聞いても内容が曖昧だったり、判断に迷う部分があるときは、決してその場で契約書にサインせず、「一度社内で検討します」と持ち帰ることが大切です。これは無料制作に限らず、大切な会社の予算を使うすべてのWeb契約において共通する安心のステップです。
ホームページは「完成させること」が最終目的ではありません。何よりも大切なのは、「大切な会社やサービスの成長を、そっと力強く支え続けるための道具」であるということです。
だからこそ、貴重なお金や時間を投資するのであれば、それが皆様のビジネスにとって本当に価値のある実りになってほしいと願っております。
少し本音をお話しさせていただくと、皆様のビジネスが発展して会社が大きくなっていくことは、Webをお手伝いする私たちにとっても何より嬉しい瞬間です。
お客様の事業が成長すれば、また新しいご相談をいただけたり、Webで挑戦できる幅がぐんと広がっていきます。つまり、「皆様のビジネスの成功」こそが、私たちにとっても一番の喜びであり成果なのです。
無料にも有料にも、それぞれの良さがあります。「無料」という言葉だけに惑わされることなく、契約内容や将来の目的まで見据えて、自社に本当に合った選択肢を選んでいただきたいと考えております。
neo-cheeksでは、無理なご契約をお勧めすることは一切ございません。「このお見積もり、適正かな?」「今の契約内容を確認してほしい」といった疑問にも、いつでもフラットな味方の視点でお応えしております。
この記事が、皆様が大切なご決断をされる際の確かな道しるべになりましたら幸いです。皆様のビジネスがこれからも大きく飛躍していきますことを、心より応援しております。